Nanapapaの耳活&タイ移住日記

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【書評】『異文化理解力 相手と自分の真意がわかるビジネスパーソン必須の教養』(エリン・メイヤー著、英治出版)

こんにちは、Nanapapaです。
今日は、最近、audiobookで聴いた本を紹介します。

異文化理解力 相手と自分の真意がわかるビジネスパーソン必須の教養』(エリン・メイヤー著、英治出版)です。

 

海外で働く方にとって、外国人と一緒に働くことは難しく永遠の課題だと思います。

最近は、日本国内でも外国人と一緒に働くことが当たり前の様になってきており、海外居住者だけでなく、日本に住んでいる日本人にとっても、外国人との異文化理解力は必要な能力になりつつあります。

私は、タイで働いて10年になります。普段はタイ人と仕事をしていますが、いまだにタイ人スタッフから「あなたはタイの文化を分かっていない」と言われることがあります・・・

本書を読んで勉強し、実生活や業務に役立てたいと思います。


目次

 
本書の内容・著者紹介

本書の内容・著者紹介は、以下の通りです。

 

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

ハーバード・ビジネス・レビュー、フォーブス、ハフィントン・ポストほか各メディアで話題!ビジネス現場で実践できる異文化理解ツール「カルチャーマップ」の極意をわかりやすく解説。

 

【目次】(「BOOK」データベースより)

1 空気に耳を澄ますー異文化間のコミュニケーション/2 様々な礼節のかたちー勤務評価とネガティブ・フィードバック/3 「なぜ」VS「どうやって」-多文化世界における説得の技術/4 敬意はどれくらい必要?-リーダーシップ、階層、パワー/5 大文字の決断か小文字の決断かー誰が、どうやって決断する?/6 頭か心かー二種類の信頼とその構築法/7 ナイフではなく針をー生産的に見解の相違を伝える/8 遅いってどれくらい?-スケジューリングと各文化の時間に対する認識

 

【著者情報】(「BOOK」データベースより)

メイヤー,エリン(Meyer,Erin)
フランスとシンガポールに拠点を置くビジネススクール、INSEAD客員教授。異文化マネジメントに焦点を当てた組織行動学を専門とする。異文化交渉、多文化リーダーシップについて教鞭をとり、グローバル・バーチャル・チームのマネジメントや、エグゼクティブ向けの異文化マネジメントなどのプログラム・ディレクターを務めている。世界で最も注目すべき経営思想家のひとりとして、「Thinkers50」ほかで紹介されている

 

本書からの学び・感想

本書の学び・感想は、以下の通りです。

 

ハイコンテクストとローコンテスト

国により、ハイコンテクストな文化と、ローコンテクストな文化の違いがあります。

ハイコンテクストとは、コミュニケーションや意思疎通を図るときに、前提となる文脈(言語や価値観、考え方など)が非常に近い状態のことです。コミュニケーションの際に互いに相手の意図を察し合うことで、「以心伝心」でなんとなく通じてしまう環境や状況のことです。日本はこちらにあたります。

他方、ローコンテクストとは、コミュニケーションや意思疎通を図る際に前提となる文脈や価値観が少なく、より言語に依存してコミュニケーションが行われること。欧米はこちらにあたります。

 

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上の図に、どの国がハイコンテクストなのか、ローコンテクストなのかが分類されています。 

重要なのは、どの国がどこに位置しているかという絶対的な位置ではなく、2国間で比べた場合の相対的な位置関係とのことです。

例えば、私が暮らしているタイと日本はともに超ハイコンテクスト文化な国に位置付けられますが、私のイメージでは、日本に比べればタイの方がややローコンテクストだと思います。なぜなら、たまにタイ人から「日本人は思ったことを言葉に出さないので、何を考えているか分からない」と言われることがあったからです。

お互いが「あうんの呼吸」「口に出さなくても私の事を分かって欲しい」いうローコンテクストな文化の国同志が、最も理解しあうのが難しいそうです。

どうりで、タイ人と日本人が理解しあうのは簡単ではないなと納得しました。
そんなローコンテクスト文化同志が、コミュニケーションのミスマッチを防ぐための有益な方法は、著者曰く、「お互いがローコンテクストで振る舞う様にする」ことです。具体的には、発言内容ではなく意味を確認する、質問を多用するといった手法をとることが効果的です。
ぜひ、職場で実践してみたいと思います。


平等主義と階層主義

以下の図・表に示す通り、ハイコンテクストVSローコンテクストと同様に、組織の中での上司と部下の関係についても、平等主義と階層主義という違いが国によってあります。

私の住むタイも、日本と同じ「階層主義」で似ていると思うので、これについてはミスマッチは少ない様に思います。

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合意思考とトップダウン

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更に、上の図のように、組織内での意思決定のスタイルが、「合意思考か?トップダウン式か?」という切り口でも、国よってスタイルが異なります。

通常、「階層主義ならトップダウン式」という流れが自然なそうですが、日本の場合は特殊で、「超階層主義+合意思考」という、世界の中でも複雑な文化を持った国だそうです。 

 


タスクベースと関係ベース

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信頼関係を構築する方法についても、タスクベースと関係ベースという2つのスタイルの違いがあります。

アメリカが朝タスクベースなのに対して、日本やタイは関係ベースの国に位置づけられます。

 

印象に残ったフレーズ

本書の中で紹介していた、「目は2つ、耳も2つ、口は1つ。数に応じて使いなさい」(中国のことわざ?)と言うフレーズがとても印象的でした。

要は、あまり話さずに耳と目を使って相手の話を聞き観察することに集中しなさいと言うことです。「聞き上手は話し上手」とも言うように、話すことも重要ですが、それ以上に聞くことがより重要となります。


最後に

 本日、紹介した内容の中から、皆さんにとって参考になった点が1つでもありましたら幸いです。

また、興味を持たれた方は、実際に本書を聴いて(読んで)みてください。

異文化理解力 相手と自分の真意がわかるビジネスパーソン必須の教養 [ エリン・メイヤー ]

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ご精読ありがとうございました。