Nanapapaの耳活&タイ移住日記

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【書評】『東芝解体 電機メーカーが消える日』


 

 

こんにちは、Nanapapaです。

今日は、最近、audiobookで聴いたお薦めの本を紹介します。

 

大西 康之著『東芝解体 電機メーカーが消える日 (講談社現代新書)』です。

 

 

 

◾️本書のあらすじ・内容

本書のあらすじ・内容は、以下の通りです。

(以下は、BOOK☆WAKERから引用させて頂きました。)

 

巨大な負債を抱え、会社解体の危機に喘ぐ東芝――いや、東芝だけではない。かつて日本企業を代表する存在だった総合電機が軒並み苦境に陥っている。東芝ソニー・日立ほか大手8社の歴史や経営を詳細に分析することで日本の総合電機がはまった巨大な陥穽を描く。名著『失敗の本質』総合電機版とも言える1冊。


◾️本書から得た学び

本書から得た学びは、以下の通りです。

私は経営者ではありませんが、以下に示す学びは、個人ベースにも置き換えられ、実生活に活かすことができると思います。

 

●プライドと奢り

本書では、シャープがホンハイに、東芝が美的集団に、三洋がハイアールに買収された事例を紹介していますが、いずれもプライドと奢りが一要因であったと思います。

 

「奢れるものも久しからず(平家物語)」の通り、永久に続くものなど無いということを、よく肝に銘じておかなければなりません。物事が上手くいっている時にこそ、初心に立ち帰り、気を引き締めていかなければなりません。

 

「そんなの当たり前のことでしょ?」と思われるかも知れませんが、本書で紹介されている企業だけでなく、テレビのニュース等で見かける著名人や、私たちの身の回りにも、同じように失敗している人を見かけます。

 

そうならない為にも、自分を俯瞰的に客観視する力、「メタ認知力」を鍛えていかなれば、ならないと感じました。

 

メタ認知

ja.wikipedia.org

 

●プロダクトアウト思考

日系企業のイメージは、技術力が高く、きめ細やかな機能を備えている。しかし価格が高い。これに対して、グローバルスタンダードは、機能は少なめで価格は安い。性能はも悪くない。機能が少ない分、故障も少ない。

 

上記を比較した場合、世界のお客様はどちらを買うでしょうか?答えは、皆さんもご存知の通りだと思います。私が住むタイでは、スマートフォンの主流は韓国・中国勢、そしてアイフォン。テレビも韓国勢が主流。洗濯機や電子レンジは、韓国勢に加えて、スウェーデンElectrolux社の製品が売れています。

 

残念ながら、日系メーカーは、機能も価格もガラパゴス化しており、顧客のニーズを掴めていないと言われても仕方がありません。技術力が高ければ高価でも売れるというプロダクトインの思考から、お客様中心のマーケットインの思考へと変化しなければなりません。

 

よくよく考えれば、当たり前のことですが、常に「お客様のニーズは何か?」を第一の軸にして、物事を考え、行動していく必要があると感じました。

 

●狭い世界での癒着関係

本書で紹介されいる日系メーカーの多くが、旧電電・旧電力ファミリーの一員であり、その下請会社化していました。「井の中の蛙」よろしく、その様な狭い世界で、上からのミルク注入に頼っている様な状態では、グローバル競争を勝ち抜ていくことは困難です。

 

この様な危機感の欠如した状態が長く続く中、いきなり上が民営化しミルクの注入が途絶え、本当の意味での資本主義経済の荒波に出されてしまいました。

 

様々な業界で日本国内市場が縮小傾向にある中、今後、日系企業が生き残っていくためには、海外進出し、グローバルな競争力をつけて行かなければなりません。

 

その為に、我々は何をすべきか?について、真剣に考える必要があります。

 

この話は、決して企業についてだけ言える話ではなく、企業に所属する一個人としても必要なマインドだと思います。

会社に寄りかからず、会社の看板や肩書なしでも自分に自身を持てて、高いアウトプットを出すことができる様、自分の市場価値を高める必要があると感じました。

 

●社内政治

 本書では、ソニーの出井氏の例が紹介されています。出井氏が、次の社長となるハワード・ストリンガー氏へ伝えた最大のミッションとは「マダムをリスペクトせよ」だそうです。この言葉が表すように、出井氏は、社内政治、創業家に苦しんでいました。

 

この様に、社内政治や創業家との関係にエネルギーを割かなければいけない環境下では、いかに優秀な社長でも、高いパフォーマンスを発揮するのは難しいと思います。

 

これを、経営者ではなく企業で働く一個人へ置き換えたとしても、社内政治や創業家との関係というのは、大なり小なり、どこの会社でもあり得る話であり、またこれらの問題を解決することは、一筋縄ではいきません。

あまりポジティブな結論でなく恐縮ですが、いい意味で割り切り、こういった世界とはあまり関わらないようにする、距離をおく。もしくは転職して会社を変えるしか無いのではないかと思います。

 

  

◾️To Do(今後、実践すべきこと)

本書を聴いて学んだことを実生活に活かすべく、以下を実践したいと思います。

①「メタ認知力」を鍛える。

②「マーケットイン」思考を学ぶ。

③「自分の市場価値」を高める。

 

◾️まとめ

本書で紹介されている内容は、どれも「当たり前のこと」ばかりなのですが、エリート揃いの一流企業でも実際に陥っている罠です。

「自分には関係の無い話」ではなく、「ちょっとした環境の違い等で、明日は我が身かもしれない」と肝に銘じ、常に、「謙虚に」「顧客目線で」「(社内外での)市場価値の向上」に努めたいと思います。
 

◾️最後に

本日、紹介した内容の中から、皆さんにとって参考になるものが1つでもありましたら幸いです。また、興味を持たれた方は、実際に本書を聴いて(読んで)みてください。

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ご精読ありがとうございました🙇‍♂️