Nanapapaの耳活&タイ移住日記

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【書評】『サーバントリーダーシップ』(ロバート・K・グリーンリーフ、著英治出版)

こんにちは、Nanapapaです。

今日は、『サーバントリーダーシップ』(ロバート・K・グリーンリーフ (著), 金井壽宏 (著), 金井真弓 (翻訳) 、英治出版)を紹介します。

 

本書の内容(アマゾンより)

ピーター・センゲに「リーダーシップを本気で学ぶ人が読むべきただ1冊」と言わしめた名著、待望の邦訳。「サーバント」――つまり「奉仕」こそがリーダーシップの本質だ。1977年に米国で初版が刊行されて以来、本書は研究者・経営者・ビジネススクール・政府に絶大な影響を与えてきた。「サーバントリーダーシップ」の概念は、今やリーダーシップ論の基本哲学を成している。

 

本書の初版が発行されたのは1977年と、34年も前ですが、アマゾンでは星4つで、いまだに売れてるようです。

本書に興味を持ったきっかけは、自分はいま管理職ですが、自分のキャラクター的に、部下の先頭に立ってみんなをグイグイ引っ張っていくリーダーシップスタイルにしっくり来ていませんでした。そんなときに、たまたま本書を見かけ、タイトルに惹かれて、即買いしました。

今もまだ試行錯誤中ですが、やはり自分にはサーバントリーダーシップというスタイルが合っていたようで、職場のメンバーが前よりも活き活きと働き、自立して成長している雰囲気を感じるので、1500円の元は十分に取れたと思います。

 

本書からの学び

〇「サーバント」と「リーダーシップ」は両立する。

サーバントリーダーシップとは、「リーダーはまず相手に奉仕し、そのあと相手を導くものである」という考えのもとに生まれた支援型リーダーシップのことで、部下の能力を肯定し、お互いの利益になる信頼関係を築くといったスタイルのリーダーシップです。

サーバントとは、一般的には「使用人、召使い」の意味ですが、ここではそこまでへりくだる必要はなく、「部下等を見守る奉仕者」といったイメージです。

また、リーダーシップとは、組織をけん引するリーダーとしての資質や能力のことをいいますが、必ずしも前から引っ張っていく必要はなく、後ろから後押しする型でもリーダーシップを発揮することはできるので、サーバントとリーダーシップは両立可能です。

 

〇よきサーバントとなるためには、原理原則、人格主義が重要。

よきサーバント(奉仕者)となるためには、細かなテクニックを磨く前に、人格面、すなわち心を磨くことが重要です。具体的には、良心、思いやり、誠実さ、奉仕、導くといった点がキーワードとなります。

そして、あらゆる問題への対応は、まず、その人のことを理解したいという気持ちをもって、人の話を聞くことから始まります。自分のことを相手に理解してもらいたいよりも、相手を理解するに重点を置きます。

また、Awareness=(相手のことに)気づく力も重要です。思いやりの気持ちで相手(部下、子供、仲間)を見守り、「人間として成長できているか?」「自立できているか?」といった点を確認します。

よきサーバントのお手本としては、インド独立の父であるガンジーや、アメリカで奴隷制度反対運動に身をささげたジョン・ウールマンが挙げられます。

 

〇よきサーバントを育てるためには「トラスティー」の存在が重要。

よきサーバントを育てるためには、「トラスティー(信託者)」の存在が重要となります。聞きなれない言葉ですが、トラスティーとは、組織の外部からサーバントリーダーを育成・監督する立場の人を指します。会社でいうと、社長の業務をチェックする取締役(取締役会)がトラスティーにあたります。

著者が言う、よきトラスティーの条件としては、まずトラスティー自身が人格者であること、そしてトラスティーが組織から独立した立場にいること、が挙げられます。すなわち、会社でいうと「社外取締役」がそれにあたります。

約30年も前にこの発想があるのは凄いなと思いますが、他方で、本当に大事なことは昔から変わっていないという証左にもなります。例えば、小手先のテクニックよりも原理原則や人格・心を磨くことが重要であること、権力は必ず腐敗するので、代表者を外部から客観的な立場で監督する役割(=社外取締役)が必要であること等です。

著者が生まれ育ったアメリカでは、ひと昔前から、取締役といえば社外の人がなるのが当たり前でしたが、日本ではいまだに社内の人間が取締役を兼ねるケースが多い印象を受けます。社長をチェックする取締役でありながら、社内的には部下でもあるので、なかなか批判的な発言はしにくいですし、これでは取締役会本来の機能を果たせません。

今後は、日本も社外取締役の数を増やしていく、最低でもメンバーの過半数社外取締役を招聘して、外部の客観的立場から社長の業務をチェックするという本来の機能を果たしつつ、社内に無い新鮮な風(アイデア、意見)を吹き込んでイノベーションを起こす一助となれば良いのではと思います。

 

まとめ

リーダーシップの方法に正解はないと思いますし、人それぞれのキャラクターや強みにあったリーダーシップの方法を選択すればよいと思います。

「どうも自分は、みんなの先頭に立ってグイグイ引っ張っていくタイプではないなあ」と思っている方は、「サーバントリーダーシップ」という手法を試してみてる方法もあるのではと思います。

思いやりの心を持って後方から相手(例:部下、子ども、チームのメンバー等)を奉仕・支援することにより、彼らの成長が実感できるのではないかと思います。

 

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

本日、紹介した本は、こちらです。

サーバントリーダーシップ』(ロバート・K・グリーンリーフ、著英治出版

オーディオブックでも出ています。

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