Nanapapaの耳活&タイ移住日記

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【書評】『会社に人生を預けるな~リスク・リテラシーを磨く~ 』(勝間和代著、光文社新書)

こんにちは、Nanapapaです。

今日は、『会社に人生を預けるな~リスク・リテラシーを磨く~ 』(勝間和代著、光文社新書)を紹介します。

勝間勝代さんと聞くと抵抗感を覚える方が意外と多いのでしょうか。勝間塾(勝間さんのオンラインサロン)を変な宗教呼ばわりしている人もいますが・・・。勝間さんがというよりも、好きな人も嫌いな人も多いのは有名人・人気者の宿命なのでしょうね。

私は、勝間さんに対しては中立な立場なのと、勝間さん自身のことは良く知りませんが、出版されている本の内容はいたってまとも、というか、大変素晴らしい内容ばかりだと思います。専門的な難しい内容を、素人にも分かり易く説明してくれるので、とても参考になります。

 

目次

 

内容(「BOOK」データベースより)

日本が停滞する「すべての原因」は終身雇用制度にあり。このままでは、袋小路の状況が続くと考えられる日本において、個々人は、企業は、国は、何を考えなければならないのか。将来に向けた新しい意識を得るための、具体的提案の書。

 

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

勝間/和代 1968年東京都生まれ。経済評論家、公認会計士早稲田大学ファイナンスMBA慶應義塾大学商学部卒業。アーサー・アンダーセンマッキンゼーJPモルガンを経て独立。2005年、『ウォールストリート・ジャーナル』から、「世界の最も注目すべき女性50人」に選ばれる。

 

感想・学び

リスクの意味は危険だけではない

一般的には、リスク=危険とネガティブな意味に捉えられがちですが、リスクには「不確実性」といった意味もあります。計算できないリスク=不確実性は避けるべきですが、計算できるリスク=不確実性については、自分の責任でカバーできる範囲内で、積極的に取っていくことによって、自分の殻を破り、夢や目標を達成できる可能性が広がります

身近な例でいうと、宝くじがリスク=不確実性にあげられます。例えば300円を払って宝くじを買ったとして、当たるかどうかは分かりませんので、リスクにあたります。ただし、外れたとしても失うのは宝くじに支払った300円だけですので、リスクは計算できます。また、300円でしたら失っても大きな支障はなく、自分の責任でカバーできる範囲内です。

この様なイメージで、株や投資信託を購入して投資を始めるとか、収入アップのために転職する副業する等といったことがリスクを取る行為にあたります。但し、いきなりドラスティックに行うのではなく、自分がカバーできる責任の範囲内で、例えば、投資でしたら全額失っても生活に困らない貯蓄分で始めるとか、転職や副業もまずは転職エージェントに相談してみるとか副業についてネットで調べてみるとか、自己責任でカバーできる範囲内で少しずつ始める、準備をすることでも、十分に他者と差別化できると思います。

 

日本企業は小作農制度OR奴隷制度を敷いている?

著者は、日本の企業は、終身雇用制と年功序列といった仕組みを武器に、まるで江戸時代の小作農制度や、古代・中世の奴隷制度のように、従業員を会社に縛りつけていると主張しています。いわゆるESBI(E=employee(従業員)、S=self employee(自営業者)、B=business owner(ビジネスオーナー)、I=investor(投資家))の、E=従業員からS=自営業もしくはB=ビジネスオーナーになって、1日の労働時間は4時間以内にすべきと唱えています。

確かに、何も考えずに日本の企業、とくに大企業に勤めていると、その会社でしか通用しない特殊なスキルや社内政治力ばかり磨かれて、いざ40歳、50歳になって転職しようとしても他社で活躍できるだけの経験・スキルが備わっていなかったなどどいう現実に直面するかも知れません。

しかし、私も元日系大手メーカーの社員でしたが、日本の大企業で働くのも悪くないかなと思います。何が幸福かは自分自身が決めることですし、グローバルではない日系大手企業も、それはそれで良いところが沢山あります。

もっとも、時代は変わり、日本でも終身雇用制が崩れつつあり、欧米の転職文化も普及しつつある昨今、リスク=不確実性に備えるために、自社のみで通用する特殊スキルに加えて、他の日本企業や外資系企業でも通世するような業務知識・スキルや英語力といった引き出しを広げておく必要があると思います。

そうすることにより、自社で何かあったときにも(例えば、リストラや倒産)「自分ならいつでも他社に転職できる」という自信がつきますし、何より、引き出しを広げることにより今まで以上に自社で活躍できると思います。

 

リスクリテラシーを磨くために必要なこと

著者は、リスクリテラシーを磨くために必要はことは、将来に対する想像力メディアを鵜呑みにしないこと、の2つを挙げています。10年前の本ですが、この2つについては、今でもその通りだと思います。

 

将来に対する想像力

例えば、日本の大企業でも経営破綻するリスク、自分の仕事がAIに取られて無くなるリスク、いま働いている会社が外資系企業に買収されて上司がある日突然アメリカ人もしくは中国人になっている、日本の社会保険制度が破綻して貰えると思っていたはずの年金が貰えなくなる等といった様々なリスクを、日々、冷静かつ客観的に思いめぐらして、そうなった時でも困らない様に、いま自分は何を準備すべきかを考え、自分の中の引き出しを少しずつ広げていくことが必要だと思います。

 

メディアを鵜のみにしない

新聞やニュースの記事はメリットよりもデメリット・弊害の方が多いので、これらの情報はやみくもに信じず、自分の頭で考えることが重要になります。これについては、ベストセラーにもなっている『News Diet(ニュース・ダイエット)』という本が参考になります。私のブログでも紹介しているので、こちらも参考になさってみてください。

 

nanapapa211.hatenablog.com

 

最後に

10年前に出版された本ですが、内容はいまだに色あせていないと思います。私たちのような一般人が、普段、生活しているとあまり意識しない「リスクリテラシー」について気づかせくれる、示唆を与えてくれる一冊だと思います。ちなみに、「リスク」というキーワードについては、年々注目されてきており、私の働く会社でも「リスクマネジメント」が重要な施策の1つとなっています。

興味を持たれた方は、実際に本書を読んでみてください。さらに深い学びや気づきが得られると思います。

耳読書派の方は、こちらをどうぞ。 Audiobook.jpの無料体験はこちら:オーディオブック配信サービス – audiobook.jp

最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。