Nanapapaの耳活&タイ移住日記

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audibleで、ミヒャエル・エンデ著「モモ 」(岩波少年文庫(127))を聞きました

 

こんにちは、オーディオブック研究家のNanapapaです。

本日は、ミヒャエル・エンデ著「モモ 」(岩波少年文庫(127))を紹介します。よろしくお願いします。

 

誰でも人生の中で「心を揺さぶられた作品」というのがあるのではないかと思います。

私の場合は、学生時代に読んだ、遠藤周作の「沈黙」と、サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」、それから今回ご紹介する「モモ」の3作品です。

私にとって心を揺さぶられた作品と言うのは、どれもビジネス本ではなく小説です。

まさか、こんな40代のオヤジになって心を揺さぶられる小説に出会えるとは思いませんでした。これこそ、まさに読書の醍醐味だと思います。

ちなみに本作品は、Amazonランキングのドイツ文学カテゴリーで、ベストセラー第1位の作品です。

 

おしながき

  1. 本書の目次
  2. 著者について
  3. 内容について
  4. 耳読メモ、感想
  5. さいごに

 

1. 本書の目次

読書をするときは、まず読み始める前に、表紙や帯描き、目次などを眺めて全体像をイメージしてから読むと読書の効果が上がります。

第一部 モモとその友達

1章 大きな都会と小さな少女

2章 珍しい性質と珍しくもない喧嘩

3章 暴風雨ごっこと本物の夕立

4章 無口なおじさんとおしゃべりな若者

5章 大勢のための物語と、1人だけのための物語

 

第二部 灰色の男たち

6章 インチキで人を丸め込む計算

7章 友達の訪問と敵の訪問

8章 膨れ上がった夢と、少しのためらい

9章 開かれなかった良い集会と、開かれた悪い集会

10章 激しい追跡と、のんびりした逃亡

11章 悪者が危機の打開に頭を絞るとき・・・

12章 モモ、時間の国に着く

 

第三部 <時間の花>

13章 向こうでは1日、ここでは一生

14章 食べ物はたっぷり、話はちょっぴり

15章 再会、そして本当の別れ

16章 豊かさの中の苦しみ

17章 大きな不安と、もっと大きな勇気

18章 前ばかり見て、後を振り向かないと・・・

19章 包囲の中での決意

20章 追手を追う

21章 おわり、そして新しい始まり

 

作者の短いあとがき
訳者のあとがき
エンデの人柄に触れた日々

 

2. 著者について

著者は、ミヒャエル、エンデと言うドイツ人の児童文学作家です。
学校を卒業した後、舞台監督や映画評論なども行っていました。

1960年に『ジム・ボタンの機関車大旅行』を出版して、初めての作品がなんと翌年にはドイツ児童図書賞を受賞しました。

その後、イタリアへ移住し、「モモ」や「はてしない物語」(ネバー・エンディング・ストーリーの原作)などの作品を発表しています。

 

3. 内容について

本書のストーリーですが、ある国のある場所(どこかは不明です)に、突然、チリチリの黒髪で目がくりくりっとした少女モモが現れます。

モモを見つけた大人たちは、モモがどこから来たのかと尋ねますが、モモは答えません。
結局、モモは町の円形劇場後に住むことになります。

モモには人の話を聞く、今で言うところの「傾聴」と言う特殊能力がありました。
町の人たちは、モモの前に座ると、ついつ色々なことを話してしまい、そして話を聞いてもらうと幸福な気もちになりました。

長年喧嘩し、いがみあっていた男同士も、モモの前に座るとお互いの本音を話し合い、最終的には昔のように仲良くなりました。

そんな平和な時間を過ごしていたモモですが、ある日、時間貯蓄銀行から派遣された「時間泥棒」の男たちがやってきてから、モモや町の人々の生活が一変します。

そして、モモは時間泥棒にとられてしまった人々の時間を取り戻すために、時間泥棒と孤独な勝負に挑みます。

 

時間とは何か?ほんとうの幸福とは何か?を問う、大人も楽しめる児童向けの小説です。

 

4. 耳読メモ、感想

まずはじめに、この本は本当に超オススメの一冊です。まだ読んだことがない方は、ぜひ読んでみてください。

もともと、児童向けの小説ですが、子供だけでなく、大人も楽しめる、そして時間、幸福、価値観とは何か?について考えさせてくれる一冊です。

私はこの本を神田正則さん(日本一のマーケター)と勝間和代さん(経済評論家)が共著された本「10年後あなたの本棚に残るビジネス書100」を読んでいる中で、神田正則さんが本書を「児童書ではなくこれはビジネス書」だと紹介、オススメされていたのを拝見し、オーディオブックで聞きました。

 

私が思う本書のテーマは、時間、幸福、価値観です。
もともと、慎ましくも穏やかで幸せだった町の人々が、資本主義(時間泥棒)の到来とともに、より便利さや効率を求め、前よりもお金を手にし豊かになったものの、忙しく時間を失い、前よりも幸福でなくなっています。

私たちの仕事や日常もそうですが、やることがたくさんあり、特に、重要ではないけれども緊急な事がたくさんあって、毎日それらをこなしていくことに終始して毎日が過ぎていってしまいます。

本当は、重要ではないが緊急なことではなく、緊急ではないが重要なこと、例えば予防、準備、人間関係の構築、家族との団欒、自分の価値観に基づいた行動、健康のためにやるべきこと、真の意味でのレクレーションなどを優先すべきなのですが、頭では分かっているものの、なかなか思うようにいきません。

そんな、重要ではないが緊急なことばかりやっている私たちは、まさにこの作品の中に登場している変わってしまった町の人々と同じではないかと思いました。

果たして、このような生活が幸福だと言えるのでしょうか?
幸福の定義については人により様々であると思いますが、決して本書に出てくるような変わってしまった町の人々本のような生活が幸福とは言えないのではないかと思います。
多少のお金は必要でしょうが、たくさんのお金を稼ぐ必要はなく、自分らしいお金の使い方や幸福さについて、自分の使命や価値観に立ち返って考え、それに基づいた行動かどうかを日々確認しながら、緊急では無いけれども重要な事に集中していく。

そんな日々を繰り返していくことが重要ではないかと感じました。

本書は、児童書ではありますが、物語を通じてそんなことを考えさせてくれるとても深い一冊です。


最後に、本書の最後に登場した「作者の短いあとがき」をご紹介します。

(この物語は)過去のことかも知れないし、今のことかも知れないし、未来のことかも知れないし。しかし、それは重要なことではない。

本書は1970年代にに書かれた話ですが、今でもそのまま本書の内容は当てはまりますし、残念ながら未来も同じようなことが起こっているのではないかと言うことが暗示されます。
しかし、われわれ人間は意志を持った生き物ですので、我々の信念次第によって、過去は変えられないですが、未来はどの様にでも変えられます。

 

5. さいごに

今回ご紹介した本はこちらになります。

著者:ミヒャエル・エンデ
タイトル:モモ
出版社:岩波少年文庫(127)
価格: 880円
ページ数: 409ページ
出版日:2005/6/16

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

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